事務が回らない時、3つの選択肢

売上が伸びてきた、案件が増えてきた。喜ばしいことですが、その分、見積書、請求書、案件管理といった事務作業も増えていきます。

「誰かこの事務、代わりにやってくれないか」。そう感じたとき、経営者様が思いつく選択肢は、大きく分けて3つあります。

一つは事務員を新しく採用すること。もう一つは外部の事務代行会社に外注すること。そして三つ目が、業務のやり方そのものを見直す「仕組み化」です。

多くの会社様が、まず採用か外注かで悩みます。しかし、どちらもメリットとあわせて、見落としがちな負担もあります。順番に見ていきます。

採用と外注、それぞれの落とし穴

採用の落とし穴

まず、採用は簡単ではありません。求人を出しても応募が来ない。ようやく採用できても、業務を覚えてもらうまでに時間がかかります。教えている間は、既存のスタッフの手も止まります。そして、せっかく育てても辞めてしまうこともあります。求人広告費や研修にかけた時間を考えると、採用は決して軽い決断ではありません。

外注の落とし穴

外注は、採用よりは早く始められます。ただし、頼み続ける限り、費用を払い続けることになります。業務量が増えれば外注費も増えますし、担当者が変わればまた一から説明し直す手間も発生します。「頼んでいる限りコストが積み上がる」のが、外注という仕組みの性質です。一度頼み始めると、社内にノウハウが残らないまま何年も外注費を払い続けている、というケースも珍しくありません。

定型的な事務作業を自動で回す仕組みのイラスト
第3の選択肢:業務の「決まった流れの部分」だけを自動化する

第3の選択肢:業務の「決まった流れの部分」だけを自動化する

採用でも外注でもない、もう一つの考え方があります。それは、事務作業の中でも「毎回同じ流れで処理している部分」だけを、仕組みで肩代わりする方法です。

事務作業のすべてが判断を必要とするわけではありません。「届いた案件をどこに振り分けるか」「完了報告が来たら次に何をするか」といった、決まったルールで動いている部分は、少なくないはずです。この部分を仕組みに任せることで、人にしかできない判断業務に、より多くの時間を使えるようになります。人を増やす、外に頼むという発想の前に、まず「この作業は本当に人の判断が必要か」を見直してみる価値はあります。

実例:害虫駆除会社の話

害虫駆除の会社様では、4社の広告会社から、それぞれ違う形式で案件が届いていました。その案件の振り分け、LINEでの通知、完了報告の確認、請求処理まで、すべて手作業で行っていました。

これを、案件の自動取り込みと照合、自動通知、広告会社ごとの形式に合わせた報告書の自動出力に変えました。

その結果、月に約40時間かかっていた手作業が削減され、入力漏れや転記ミスは0件になりました。それまで月20万円かけて事務作業を外注していましたが、その事務費は初年度で168万円削減され、2年目以降は年216万円の削減になっています。

どんな会社に向くか、向かないか

正直にお伝えすると、この考え方がすべての会社に向いているわけではありません。

案件数がもともと少なく、事務作業の量自体がそれほど多くない会社の場合、仕組みを整える手間の方が見合わないこともあります。まずは「今、事務作業に月どれくらいの時間や費用がかかっているか」を把握することが、判断の第一歩になります。

一方で、案件数が多く、同じような処理を繰り返している業務がある会社様には、検討する価値のある選択肢だと考えています。「採用したいが人が採れない」「外注費が年々重くなっている」といった悩みをお持ちの会社様ほど、仕組み化の効果を感じやすい傾向があります。

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